- 市販のキーボードでは満足できない
- キーボードの自作に興味がある
- キーボードの自作には何が必要でどこで買えるの?
こんな悩みを解決します!
■この記事を書いた人
キーボード大好きなプログラマー
その日の気分やシーンによって複数のキーボードを使い分けています
自分好みのキーボードに出会うべく、自作の沼に足を踏み入れました
キーボードの沼にようこそ。
私にとってキーボードは、もはや「楽器」であり、体の一部と言っても過言ではありません。
(入力デバイスのほうのキーボードを「楽器」と言ってしまうと、ホントに楽器のキーボードみたいでややこしいですね…)
打鍵感や打鍵音、キーキャップやケース、色、サイズ…etc、せっかくならとことんこだわりたいですが、市販キーボードの選択肢はそんなに多くない。
そんな葛藤の末、ついに私も「沼」と表現される自作キーボードの世界に足を踏み入れることにしました。
とは言ってもキーボードを自作するために、「何を」「どこで」買って「どうやって」作ればいいのか、最初は全く分かりませんでした。
これからキーボードの自作に取り組みたい方へ、そして自分の備忘録としてこの記事を残したいと思います。
- 自作キーボードの基礎知識
- キーボードの自作に必要なもの
- 自作用パーツが買えるサイト
自作キーボードとカスタムキーボード
自分で組み立てるキーボードを「自作キーボード」と雑に呼称していましたが、界隈には「自作キーボード」と「カスタムキーボード」というジャンルがあるようです。
どうもこの辺は厳密に定義されている訳ではなさそうですね。
私も最初は混同していたので、ここで整理したいと思います。
自作キーボード
左右分離型でキー数が少なかったり配列が特殊なものが「自作キーボード」と呼ばれているようです。
キー数を極限まで少なくしたり、キー配置を自分の好みに設定したりと、「操作性」をとことんまで自分ご追求できる。
自作キーボードには下記のような特徴があります。
- 左右分離型やキー配列が特殊なものが多い
- キー配置をカスタマイズする「レイヤー」での使用が前提
- ダイオードなどの電子部品、数十点を自分でハンダ付する必要がある※1
※1. 購入店舗によって組み立てサービスがあったり、ある程度組み立てられているキットもあります。
カスタムキーボード
自作キーボードのような特殊な外見やキー配列のものとは異なり、一般的な外見のものが「カスタムキーボード」と呼ばれています。
自作キーボードが「斬新さや効率・操作性」を追求するのに対し、カスタムキーボードは「最高の打鍵感・打鍵音・高品質」を追求します。
カスタムキーボードには下記のような特徴があります。
- 外見は一般的なキーボードに近い
- ケース・基盤がセットになっている上、部品がハンダ付されているものも多いので、組み立ては最低限の労力で済む
- 自作キーボードよりも打鍵感や打鍵音、ケースに質の高さを求められる
- 高級志向なので高額になりがち
自作キットなら気軽に始められる
正直、キーボードの自作には時間も労力もかかります。
電子工作の中でもキーボードは簡単な部類なのですが、「手先が不器用」「細かい単純作業が嫌い」「必要なパーツをひとつひとつ選んで購入するのは面倒」という方にとってはハードルが高く見えるかもしれません。
専用ソフトを使ったキー配置のカスタマイズも、なんだか難しそうに感じますしね。(やってみると超カンタン)
そんな「自作キーボードに興味はあるけど、自分には敷居が高いかなぁ」という方の入門ハードルを少しでも下げるべく、「自作キット」というものが販売されています。
自作キーボード界隈の諸先輩も自作キットから入門していますし、私もそうでした。
「入門」というと「クオリティはそんなに高くない」というイメージがあるかもしれませんが、まったくもってそんなことはありません。
とはいえ何十点ものダイオードやキースイッチをハンダ付けするので、ある程度の根気と集中力は求められます。
キーボードの自作に必要なパーツと役割
せっかくキーボードを自作するので、必要なパーツとその役割についても理解しておきたいところです。
「動けばいいよ」という方は読みとばして下さい。
■キーボードの自作に必要な主要パーツ
名称 | 役割 |
---|---|
ケース、台座 | キーボードの外側で基盤や回路の保護が目的。 様々なデザインや材質のものがあるのでこだわりたいところ。 |
PCB(基盤) | 電子回路やキースイッチ等を収める基盤 |
ダイオード | 電気の流れを一方通行にする電子部品。 キーボードにおいては、複数のキーの同時押しを正しく検知する役割がある。(チャタリング防止) |
ProMicro(マイコン) | キーボードの頭脳。 ここにファームウェアを書き込む |
スタビライザー | シフトキーなど大きめのキーの打鍵を安定させる。 キーサイズが1u※のみなら不要 |
キースイッチ | ユーザーのキー入力を電気的に受ける部分。 打鍵感・打鍵音に大きく影響する。 |
キーキャップ | キーボード表面の文字が刻印されている部分。 素材や形状で使用感が変わってくる。 デザインにもこだわりたい。 |
TRRS・USBケーブル | キーボードの左右ユニット、PCとの接続に必要 |
他にもパーツを固定するネジなども必要ですが、細かすぎるのでここでは割愛します。
キーボード自作に必要な工具と値段
今回「Corne Cherry Light」を組み立てるにあたり、Amazonで工具も購入しました。以下が私が購入したものですので、これから初めたい方は参考にしてください。
- ハンダこて・こて台
- ハンダ吸い取り器
- ニッパー
- 作業マット(静電気防止)
- キースイッチオープナー(ルブ用)
- マイクロアプリケーター(φ1.5mm:ルブ用)
安物のハンダこてやニッパーは持っていましたが、今後電子工作をやっていくにあたって新調しました。特殊な工具を以下で解説します。
■ハンダ吸い取り器
「ハンダ吸い取り器」は失敗したハンダを吸い取って除去する工具です。
失敗しなければ不要な工具ですが、私は取り付け必要なパーツを付けずにキースイッチを基盤にハンダ付けしてしまい、数十箇所のハンダを除去するハメになってしまいました。
念のため買っておいて良かったです。
■作業マット
作業マットは机の保護のためですね。
作業中は結構ハンダが垂れます。過去に何も敷かずに作業して机を溶かしたことがあるので、ついでに購入。
マットについては皆さんシリコンマットを勧めていますが、どうにも静電気問題が気になるので「導電マット」なるものにしました。
■ルブ(潤滑)用の工具
キースイッチオープナーとマイクロアプリケーターは「ルブ(潤滑)」で使うので、「ルブらない」方には不要です。
「キースイッチのルブ(潤滑)についての記事」もご覧いただくと理解が深まります。
■その他に必要な工具
以下は必要とされている工具類ですが、すでに持っているもの・今回は購入を見送ったものです。
- ハンダ(φ0.8mm、鉛含有でOK)
- ドライバーセット
- ピンセット
- マスキングテープ(パーツの仮留め)
- フラックス(ハンダ付けがスムーズになる。LEDを付けるなら推奨)
- テスター(トラブル時に通電できているかの確認)
- 作業中にパーツを収納するケース類(ホコリ除けにふた付きを推奨)
- エポキシ接着剤(電子部品の補強)
- キーキャップ引き抜き工具
ハンダこてだけはいいものを使いたい
前述のように私は工具類をAmazonで購入しましたが、これらの工具のほとんどはダイソーでも売っています。
道具はいいものを使うに越したことはありませんが、キーボードを自作をしてみた感想としては最初は100均で揃えてしまっても問題ないと感じました。
ですが、少なくともハンダこてだけは良いもの(温度調節ができるもの)を購入するべきです。
FX600は自作キーボード界の定番ハンダこてです。
私はこれまで安物を使ってハンダ付けをしていましたが、良質なハンダこてを使うと「こんなに作業がスムーズになるのか」と感動しました。
これまで安物のハンダこてでイライラしながら作業をしていたのが、今となってはアホらしく感じます。
こては単体でも売っていますが、こて台もセットのものが安いです。私はセットの存在を知らなくて別々に買ってしまいました…。