- 自作キーボードに興味があるけど、何が必要なの?
- どこで何を買えばいいの?
- 実際にパーツや道具を買った人を参考にしたい
- ぶっちゃけいくらくらいかかる?
この記事では、こんな悩みを解決します。
■この記事を書いた人
プログラマー兼キーボーディスト
その日の気分やシーンによって複数のキーボードを使い分けています
市販のキーボードでは満足できず、自作の沼に足を踏み入れることを決意
キーボードの沼にようこそ。
ついに私もキーボードの自作に取り掛かりました。
ですが、「何を」「どこで」揃えればいいのかを調べるのにそれなりに苦労しましたし、キーボードパーツも山ほどあるのでものすごく悩みました。
同時にとても楽しい時間でもありますが。
そんな苦労と充実の時間のログとして、そして備忘録を兼ねて本記事を書いた次第です。
特にキーボードの自作が初めてという方に、この記事が参考になれば幸いです。

「Corne Cherry Light」について
それでは早速、「Corne Cherry Light」を選んだ理由、購入したものと購入したサイトを見ていきます。
Corne Cherry Lightを選んだ理由
同じ左右分離型で似たタイプの「ErgoDash mini」とで1週間ほど迷いましたが、以下の理由からCorneにしました。
- デザインがかっこいい
- 格子状のキー配列が合理的に感じた
- 特殊なキー配列なので、自作キーボードの醍醐味であるレイヤーを駆使する必要がある
- キー数の少なさから組み立てが比較的ラクそうに思えた
- とは言え、30%のキーボードはさすがに怖い
ちなみに「Corne Cherry」と「Corne Cherry Light」でも丸2日悩みました。
違いは表面実装の有無で、「LEDで光るか光らないか」です。
電子工作に手を出すなら、その旨味も苦味も最大限に味わい尽くしたいところですが、下記のツイートを見つけて断念しました。
「Corneの組み立て難易度は高くないが、LEDの取り付けだけは難易度【鬼】」らしいです。
皆さん口を揃えて仰っていますね。(遊舎工房の中の人が「激ムズ」とかどんだけ?)
熱に弱い電子部品の中でもLEDは特に弱いので、「ハンダ付けに慣れないうちはLEDを何本もダメにしてしまう」とか。
私はそこまで苦労してキーボードを光らせたいとは思いませんし、すぐにでもタイピングしたいです。
細かい作業は嫌いではありませんが、「作ること」自体にあまり時間を取られたくありません。
今回は見送りましたが、いつかは挑戦したいです。
今回購入したもの・購入したサイト
「Corne Cherry Light」のキットは、自作キーボーディストのメッカ「遊舎工房」さんで購入しました。
自作キーボードのパーツは海外のサイトで購入することも多いですが、やっぱり最初は国内で揃えるのが安心ですね。
キットにはキーキャップとキースイッチ、左右ユニットを繋ぐTSSRケーブルと、PCに繋ぐUSBケーブルが含まれていないので、別途購入する必要があります。
このキーキャップとキースイッチを自分の好きなものにできるのが、キーボードの自作の魅力ですよね。
それでは今回購入したものと購入したサイトを見ていきます。
遊舎工房(ゆうしゃこうぼう)
まずは「遊舎工房」さんで購入したものをご紹介。

- 「Corne Cherry Light」キット
- 「Kailh Box Red 」(リニアキースイッチ)
- 「Tealio V2 」(リニアキースイッチ)
- 「Tribosys 3204」(潤滑剤:ルブ用)
- 「Krytox GPL 105」(潤滑剤:ルブ用)
キースイッチは非常に悩みました。どれも魅力的ですからね。
キースイッチは「赤軸のリニア」と決めていましたが、どうせなら「Cherry MX」ではなくサードパーティのものがいいということで「Kailh」と「Gateron」で悩むことに。
YouTubeなどでタイピング動画を見て「Kailh」に決めました。
決定打になったのは「ふもっふのお店」のこちらの動画です。
実は「Tealio V2」というリニアキースイッチも購入。
「いろんなキースイッチを試してみたいけど、どれか一つだけを選ばないといけない」と思い込んでいましたが、視野が狭くなっていたことに気づきました。
テキストキーはリニアを使いつつ、親指用のキーやコントロール・シフトキーなどは、毛色の違うタクタイルとかでもいいじゃないですか。
という訳で最終的に、計4種類のキースイッチを購入することとなりました。
まあ、使ってみて違和感があるようなら交換します。
そして「ルブ」用に潤滑剤も購入。
訓練された兵士はリニア・タクタイル・スプリングで別の潤滑剤を使用するようですが、さすがに3種類の潤滑剤を購入するのはキツいので、万能潤滑剤の「Tribosys 3204」とスプリング用の「Krytox GPL 105」を購入しました。
潤滑剤については以下を参考にしました。
「Krytox GPL」
「Tribosys」
「ルブ」はキースイッチに潤滑剤を塗ることで、打鍵感や打鍵音を向上させるというものです。
自作に必ずしも必要ではありませんが、可能であれば試してみて下さい。
TALPKEYBOARD(タルプキーボード )
「TALPKEYBOARD」さんではキーキャップセットと、遊舎工房さんに取り扱いのなかったキースイッチを購入。

- 「KBDfans NP DyeSub PBT キーキャップセット」
- 「FEKER Like Holy Panda」(タクタイルキースイッチ)
- 「DUROCK T1」(タクタイルキースイッチ)
- TSSR・USBケーブル
この「キーキャップ」というヤツもキースイッチに負けないくらい沼の粘度が高いです。
当然キーキャップは見た目に直結するのでこだわりたいところ。
最初はもっと「オタクっぽい」色のキーキャップにしようと思ったのですが、割と正統派な「KBDfans NP DyeSub PBT キーキャップセット」に一目惚れして購入。
私が購入する時点で「在庫2」だったのですが、翌日には完売していました。
この界隈、人気商品はすぐ売り切れるので購入はお早めにどうぞ。
キースイッチは私が何を置いても組み込みたかった「Holy Panda」をセレクト。「Holy Panda」はその打鍵感と打鍵音で絶大な人気を誇るタクタイルキースイッチです。
ついでに評判の良かった「DUROCK T1」も購入。こいつもタクタイルです。
「Holy Panda」のタイピング動画はたくさんありますが、TALPKEYBOARDさんのサイトにも貼られている「DUROCK T1」も比較できる動画を貼っておきます。
ちなみに。
内容は伏せますが、購入時に私がちょっとしたポカをやらかしたので、TALPKEYBOARDさんにメールで相談したところ、迅速に対応・解決してくださいました。
お忙しい中の神対応に感謝です。好きです。
Amazon(アマゾン)
Amazonでは工具を購入しました。中には「こんな物まで売っているのか」というものも。

- ハンダこて・こて台
- ハンダ吸い取り器
- ニッパー
- 作業マット(静電気防止)
- キースイッチオープナー(ルブ用)
- マイクロアプリケーター(φ1.5mm:ルブ用)
安物のハンダこてやニッパーは持っていましたが、今後電子工作をやっていくにあたって新調しました。特殊な工具を以下で解説します。
■ハンダ吸い取り器
「ハンダ吸い取り器」は失敗したハンダを吸い取って除去する工具です。
失敗しなければ不要な工具ですが、私は取り付け必要なパーツを付けずにキースイッチを基盤にハンダ付けしてしまい、数十箇所のハンダを除去するハメになってしまいました。
念のため買っておいて良かったです。
■作業マット
作業マットは机の保護のためですね。
作業中は結構ハンダが垂れます。過去に何も敷かずに作業して机を溶かしたことがあるので、ついでに購入。
マットについては皆さんシリコンマットを勧めていますが、どうにも静電気問題が気になるので「導電マット」なるものにしました。
■ルブ(潤滑)用の工具
キースイッチオープナーとマイクロアプリケーターは「ルブ(潤滑)」で使うので、「ルブらない」方には不要です。
「キースイッチのルブ(潤滑)についての記事」もご覧いただくと理解が深まります。
■その他に必要な工具
以下は必要とされている工具類ですが、すでに持っているもの・今回は購入を見送ったものです。
- ハンダ(φ0.8mm、鉛含有でOK)
- ドライバーセット
- ピンセット
- マスキングテープ(パーツの仮留め)
- フラックス(ハンダ付けがスムーズになる。LEDを付けるなら推奨)
- テスター(通電できているかの確認)
- ハンダこて先(こてをあてる場所によってこて先のサイズを変える)
- 作業中にパーツを収納するケース類(ホコリ除けにふた付きを推奨)
- エポキシ接着剤(電子部品の補強)
- キーキャップ引き抜き工具
ハンダこてだけはいいものを使いたい
前述のように私は工具類をAmazonで購入しましたが、これらの工具のほとんどはダイソーでも売っています。
道具はいいものを使うに越したことはありませんが、キーボードを自作をしてみた感想としては最初は100均で揃えてしまっても問題ないと感じました。
ですが、少なくともハンダこてだけは良いもの(温度調節ができるもの)を購入するべきです。
FX600は自作キーボード界の定番ハンダこてです。
私はこれまで安物を使ってハンダ付けをしていましたが、良質なハンダこてを使うと「こんなに作業がスムーズになるのか」と感動しました。
これまで安物のハンダこてでイライラしながら作業をしていたのが、今となってはアホらしく感じます。
こては単体でも売っていますが、こて台もセットのものが安いです。私はセットの存在を知らなくて別々に買ってしまいました…。