DIY好きの精神が限界突破してしまい、いよいよ機材オタクの憧れ(?)である機材の自作に挑戦してしまいました。
ケーブルの自作程度は以前からやっていたのですが、機材の自作にまで手を出すとは我ながら驚きです。ナンデコウナッタ…?
ところで、機材の自作は需要のあるプログラミングなどとは違い、ネットや書籍の情報が少ないです。
真空管アンプの制作記事などはちょくちょく見かけますが、イコライザーやコンプレッサーなどの、いわゆるプロオーディオに関するものは本当に見つかりません。
そのため私自身苦労したところもあるので、これから機材の自作に挑戦してみたい初心者(いらっしゃるのかな?)の一助になるようプロセスやハウツーをブログに残しておこうと思います。
なぜ機材の自作をしようと思ったのか
昔からものづくりが好きで、数年前から機材の自作になんとな~く興味がありました。
ただ、さすがにプロオーディオの自作なんて敷居が高いし、そもそも「使える音」になんてならないだろうと思っていました。
それが最近、たまたま Twitterで見かけた方がプロオーディオの修理や改造をされる方で、それがもうカッコよかった(業界では有名な方です)。
「私もやってみたい」と思ってしまったんですよね。実に単純です。
また、新型コロナやロシア・ウクライナ戦争、急激な円安でこれまでのように気軽に機材が購入できなくなっているというのも、機材の自作の後押しになりました。
何を作るか。そもそもどうやって作るのか。
とは言っても私は文系人間。
電気の知識はないですし、何から始めたものか。
そう思いながらネットで調べているうちに「自作キット」なるものにたどり着きました。
「そうだ、自作キットから入って回路や部品のことを勉強すればいいじゃん!」と思い至ったわけです。
自作キットのレビューを見てみると、音質は悪くないどころか結構良さそうですし、数百円~せいぜいが数千円ですので、失敗してダメになってもたいした痛手ではありません。
高級機であれば何十万もするようなプロオーディオとは比較になりませんね。
逆に安すぎて心配です。
CR型トーンコントローラーを購入
それで購入したのがこちら。イコライザーですね。
WINGONEER プリアンプトーンボード
CR型というのは「キャパシタ:Capacitor(コンデンサー)」と「抵抗器:Resistor」で信号をコントロールするというなんともシンプルな回路です。
シンプルゆえに機材自作のとっかかりとしてはベターではないでしょうか。
電源も不要なので感電する危険もなさそうです。(結局電源も作っちゃうんですけどね…)
ですがこのトーンボード、完成品でした。
キットと勘違いしていました、ちゃんと読まないといけませんね。
開封したときはガクッときましたが、すぐに音が出せるので良しとしましょう。
音質はどんなもんかとさっそく音出し・イコライジング。
「…良い音じゃん!!」
驚きました。
こんな数百円の小さい回路でもちゃんとEQできています。
電源も使用していないのに不思議だなぁ…。
聴感上のノイズや音痩せはなく、実に自然にカット・ブーストが効きます。
ノイズの原因でもある電源を使わないことや、音声信号がオペアンプなどの回路を通らないぶん変化・劣化が少ないのが理由でしょうか。シンプルというのは素晴らしいものです。
「これならイケる!」と、機材の自作が可能であると確信した瞬間です。
パラメトリックイコライザーを作りたい
CR型トーンコントローラーはシンプル・電源不要・自然な音色変化・ノイズレス…と長所ばかりですが、もちろん短所もあります。
それは「イコライジングできる周波数が固定」「EQのカーブがシェルビングのみ」というところです。
やはり作りたいのはパラメトリックイコライザーなので、これは致命的です。
CR型でもコンデンサや抵抗の値を変えればEQの効く周波数を変更できるので、可変抵抗(ボリューム)を組み込めば多少は使い勝手が向上しますが、それでもプロオーディオとしては制限が多すぎます。
音が良い・簡単なだけに残念です。
そんなわけでプロオーディオはCR型ではなくオペアンプのようなICを使ったものが主流となっています。
IC式のイコライザーであればツマミを回すだけでカット・ブースト、イコライジングしたい周波数やQ幅の変更もできるようになりますからね。
そしてこのオペアンプを作動させるために電源が必要となってくるわけです。
だんだん本格的になってきました。