一般的な日本の家屋のコンセントにはアースが来ていません。
このアースを引くと電源のノイズが減り、オーディオの音質が向上するというのはマニアの間では常識ですが、果たして本当に効果があるのか半信半疑な方も多いと思います。
結論を先に言うと「アースを引くとオーディオの音質は向上する」です。
どのように音質が変化するかというと
- 耳につく固さが取れて音が柔らかくなる
- スピーカーに張り付いていた音が、一歩引いた余裕のあるサウンドになる
- 解像度が上がり、エコーがよく聴こえる
- レンジが拡がる
- 立体感が生まれる
- 音の曇りが払拭される
- 無音時の「サー」というノイズが減少する
などなど、挙げればキリがありません。
「誰が聴いても分かるくらい劇的に変化する」というわけではありませんが、この記事を見るくらい音に関心のある方であれば気づくレベルです。
一度アースを引いた音を聴いてしまうとアースなしには戻れません。
文章で音の違いを伝えるには限界があるので、比較用の音源を用意しました。
ぜひ聴き比べてみてください。
検証環境
検証環境は以下ですが、マニアックなので興味のない方は読み飛ばして頂ければと。
- 音源:ガットギター(ライン録音)
- マイクプリ:AVALON DESIGN / VT-737SP
- インターフェイス:Apogee / Rosetta 800
- クリーン電源:TASCAM / AV-P250
- 電源タップ:Furman / SS-6
検証環境はガットギターを VT-737SP(銀色の筐体)に繋いでポロポロ弾いたものを録音しました。
上のケーブルがタスカムのクリーン電源とファーマンの電源タップを経由し、インターフェイスやスピーカーに電源を供給しています。
下のケーブルはマイクプリの電源ケーブルです。
普段はこちらもクリーン電源に繋ぐのですが、違いが分かりやすいかなと思い直接壁コンセントに繋ぎました。
コンセント下部から延びている緑のケーブルがアースですね。
今回はこのアースを付けたままの状態と、外した状態で録音しました。
比較音源
それではさっそく音源を聴き比べてみましょう。
■アースなし
■アースあり
違いが判りましたでしょうか?
しっかりとした再生環境である程度を音量を上げないと違いが判りにくいのですが、アースなしのほうが「低~中低域が細く、やや耳に付く音」に聞こえます。
アースありの音源はレンジに余裕のある自然な鳴りですね。
もっといろんな楽器を重ねていくと違いが分かりやすくなるのではないかと思いますが、ひとまずはこれで。
また余裕があれば別の音源をアップしたいと思います。
さいごに:アースを引くには
音源を聴いてみた感想はいかがでしょう。
本当は我が家のスピーカーの音を直接聴いて頂ければいいのですが、どうしても録音したものは実際のものほど違いが感じられないのがもどかしいです。
さいごに、アースを引くのは簡単な工事で済みますが、必ず電気工事会社か有資格者に依頼してください。
予算は1万円もあれば大丈夫ではないでしょうか。
コンセントを付け替えてアースを地中に埋める作業が発生するので、賃貸だと難しい場合も多いかと思います。
その場合はクリーン電源の導入がおすすめです。