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自作キーボードを導入した感想【Corne Cherry Light レビュー】

corne cherry light 自作キーボード
記事内に商品プロモーションを含んでいます。
  • 自作キーボードを導入したいけどハードルが高そう
  • 自作キーボードってどうやって使うの?
  • 「Corne Cherry Light」の感想を聞きたい

こんな疑問にお答えします。

はやと

自作キーボードの沼に落ちたプログラマー

暇があればキーボードのパーツを物色しています

「Corne Cherry Light」を導入して数日が経ったので、使用して感じたことをまとめたいと思います。

結論から言うと「自作キーボードを導入してしまうとキーボードに触るのが楽しくて仕方ない」です。

本記事がCorneをはじめとした自作キーボードの導入に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

この記事では「Corne Cherry Light」というキーボードをレビューしていますが、自作キーボードの使い方はどれも同じようなものなので、他の自作キーボード購入の参考にもなると思います。

自作キーボードの使い方

数字キーすらない特殊なキーボード、いったいどうやって使うのか気になるところだと思いますので、ここで解説したいと思います。

自作キーボードは「レイヤーキー」を駆使して使用する

コンパクトな自作キーボードには、記号キーや数字キーがないものも見受けられます。

ではどのように記号や数字を入力するのかというと、「レイヤーキー」との組み合わせで入力します。いわゆる「ファンクションキー」ですね。

corne cherry light 親指キー 自作キーボード
最前列の真ん中がレイヤーキー

「Corne」の場合、初期設定だとレイヤーキーが左右の親指位置にひとつずつ、計2つあります。
左レイヤーキーと右レイヤーキー、もしくは左右のレイヤーキーを同時に押すことでキーの役割を変化させることができます。

この機能によって、ひとつのキーに最大4つの役割を持たせることができます。

テンキー搭載のフルサイズキーボードに慣れている方には、レイヤー操作は煩わしく感じるかもしれませんが、数字入力時にホームポジションを崩さなくて済むので、私は好んで使用しています。

キーマップのプログラミングには「VIA」を使用する

自作キーボードの醍醐味のひとつが「キーマップのプログラミング」ですが、これには「VIA」というフリーソフトを利用するのが一般的です。

VIAによるキーマッププログラミング 自作キーボード
「VIA」によるキーマッププログラミング画面

プログラミングと言っても「VIA」なら直感的にキーマップをエディットできるので、ストレスなくプログラミングを楽しめますし、変更したキーマップは即時反映されるのも嬉しいところ。

もちろん「VIA」はMacOS、Windows、Linuxに対応しています。

「Corne Cherry Light」について

レビューの前に Corne Cherry Light を選んだ理由や、あわせて購入したパーツ・購入したサイトなどを見ていきます。

初めて自作にチャレンジする方は参考になるところもあるかと思います。レビューだけ読みたい方は読み飛ばしてください。

「Corne Cherry Light」を選んだ理由

まず、自作キーボードの中から「Corne Cherry Light」を選んだ理由です。

同じ左右分離型で似たタイプの「ErgoDash mini」とで1週間ほど迷いましたが、以下の理由からCorneにしました。

ちなみに「Corne Cherry」と「Corne Cherry Light」でも丸2日悩みました。
違いは表面実装の有無で、「LEDで光るか光らないか」です。

電子工作に手を出すなら、その旨味も苦味も最大限に味わい尽くしたいところですが、下記のツイートを見つけて断念しました。

「Corneの組み立て難易度は高くないが、LEDの取り付けだけは難易度【鬼】」らしいです。
皆さん口を揃えて仰っていますね。(遊舎工房の中の人が「激ムズ」とかどんだけ?)

熱に弱い電子部品の中でもLEDは特に弱いので、「ハンダ付けに慣れないうちはLEDを何本もダメにしてしまう」とか。

細かい作業は嫌いではありませんが、私はそこまで苦労してキーボードを光らせたいとは思いませんし、すぐにでもタイピングしたいです。「作ること」自体にあまり時間を取られたくありませんでした。

結果的にそこまで時間や労力をかけずに自作キーボードを楽しめたので、Corne Cherry Light の選択は正解だったなと思います。

今回は見送りましたが、いつかはLEDありの自作キーボードにも挑戦したいですね。

よろしければCorne Cherry Light のビルドログ」も書いたので読んでください。画像が多いので流し見るだけでも自作の雰囲気を楽しめます。

購入したパーツと購入したサイト

「Corne Cherry Light」のキットは、自作キーボーディストのメッカ「遊舎工房」さんで購入しました。

自作キーボードのパーツは海外のサイトで購入することも多いですが、やっぱり最初は国内で揃えるのが安心ですね。

キットにはキーキャップとキースイッチ、左右ユニットを繋ぐTSSRケーブルと、PCに繋ぐUSBケーブルが含まれていないので、別途購入する必要があります。
このキーキャップとキースイッチを自分の好きなものにできるのが、キーボード自作の魅力ですよね。

それでは今回購入したものと購入したサイトを見ていきます。

遊舎工房(ゆうしゃこうぼう)

まずは「遊舎工房」さんで購入したものをご紹介。

自作キーボード パーツ
自作キット(画像右)はコンパクトで驚いた

キースイッチは非常に悩みました。どれも魅力的ですからね。

キースイッチは「赤軸のリニア」と決めていましたが、どうせなら「Cherry MX」ではなくサードパーティのものがいいということで「Kailh」と「Gateron」で悩むことに。

YouTubeなどでタイピング動画を見て「Kailh」に決めました。
決定打になったのは「ふもっふのお店」のこちらの動画です。

実は「Tealio V2」というリニアキースイッチも購入。

「いろんなキースイッチを試してみたいけど、どれか一つだけを選ばないといけない」と思い込んでいましたが、視野が狭くなっていたことに気づきました。

テキストキーはリニアを使いつつ、親指用のキーやコントロール・シフトキーなどは、毛色の違うタクタイルとかでもいいじゃないですか。

という訳で最終的に、計4種類のキースイッチを購入することとなりました。
まあ、使ってみて違和感があるようなら交換します。

そしてキースイッチの「ルブ(潤滑)」用に潤滑剤も購入。
訓練された兵士はリニア・タクタイル・スプリングで別の潤滑剤を使用するようですが、さすがに3種類の潤滑剤を購入するのはキツいので、万能潤滑剤の「Tribosys 3204」とスプリング用の「Krytox GPL 105」を購入しました。

潤滑剤については以下を参考にしました。
Krytox GPL
Tribosys

「ルブ」はキースイッチに潤滑剤を塗ることで、打鍵感や打鍵音を向上させるというものです。
自作に必ずしも必要ではありませんが、確実にワンランク上のキーボードになるのでぜひ試してみて下さい。

キースイッチのルブ(潤滑)についての記事」もあわせてご覧ください。

TALPKEYBOARD(タルプキーボード )

自作キーボード パーツ

この「キーキャップ」というヤツもキースイッチに負けないくらい沼の粘度が高いです。

当然キーキャップは見た目に直結するのでこだわりたいところ。
最初はもっと「オタクっぽい」色のキーキャップにしようと思ったのですが、割と正統派な「KBDfans NP DyeSub PBT キーキャップセット」に一目惚れして購入。

私が購入する時点で「在庫2」だったのですが、翌日には完売していました。
この界隈、人気商品はすぐ売り切れるので購入はお早めにどうぞ。

キースイッチは私が何を置いても組み込みたかった「Holy Panda」をセレクト。「Holy Panda」はその打鍵感と打鍵音で絶大な人気を誇るタクタイルキースイッチです。

ついでに評判の良かった「DUROCK T1」も購入。こいつもタクタイルです。

「Holy Panda」のタイピング動画はたくさんありますが、TALPKEYBOARDさんのサイトにも貼られている「DUROCK T1」も比較できる動画を貼っておきます。

自作キーボードを使うメリットと感想(Corne Cherry レビュー)

ここまで長くなってしまいましたが、ここからは自作キーボードを使ってみた感想をお伝えします。

私の感じた自作キーボードのメリットは以下です。

それぞれ詳しく見ていきます。

見た目を自分の好みにできる

自作するならキーボードの印象を大きく左右するキーキャップにもこだわりたいですよね。

様々なキーキャップが発売されているのでネットショップを覗いてみてください。
国内であれば「遊舎工房」や「TALPKEYBOARD」、海外なら「KBDFans」や「DROP」あたりが品揃えが豊富で見ていて楽しいです。(そして欲しくなります)

同じキーボードでもキーキャップ次第で別物に見える。画像は遊舎工房より

キーキャップの素材は、比較的安価な「ABS」と、質感が良く耐久性の高い「PBT」が主流ですね。打鍵感のみならず、打鍵音にも影響がある部分なので、こだわりのある方には「PBT」がおすすめです。

打鍵音に関しては「ABS」は音程が高め、「PBT」は音程が低く静かな傾向があります。

打鍵感・打鍵音にこだわれる

私が自作キーボードに手を出したのは、打鍵感や打鍵音にこだわりたいという理由が大きいです。

自作キーボードには基本的にメカニカルスイッチを載せるのですが、これがまたキーキャップ以上にたくさんの種類があります。

自作キーボード メカニカルキースイッチ
メカニカルキースイッチの一例

ネットでもスイッチの感触の傾向や音は調べられますが、こればかりは実際に組み立てて打鍵しないと実感が湧かないので難しいところです。

キースイッチテスター」や「おためしセット」もあるので気になるスイッチを試してみるのも良いと思います。

Amazonにも下のようなテスターがあって驚きました。「Cherry MX」はメカニカルの定番中の定番なので、基準として持っておいて損はないです。

TISHITA Cherry MX Mechanical12キースイッチテスターテストキーキャップ
created by Rinker

操作性を追求できる

先にも述べたとおり、自作キーボードは「VIA」などを使用してキーマップをプログラムできます。

例えば「L」の隣にある「; 」や「’」などの記号は、プログラマーならよく使うのですぐ入力できるようにしたいでしょうし、文章を書くのがメインの方であればそう多用することはないので、別の記号をアサインしたいでしょう。

下の画像のようにテンキー状に数字を配置することも可能で、数字入力しづらいテンキーレスキーボードの弱点を克服できます。

VIAでテンキー状にキーマップをエディット
数字をテンキー状にプログラムした

このように自分にとって最高の操作性を追求できるのも自作キーボードの魅力です。

自作キーボード(Corne Cherry)を使って気になった点

次に自作キーボードを使って気になった点です。
私は「Corne Cherry」を使用していますが、キーのレイアウトが縦にズレたものや格子配列のコンパクトキーボードと読み替えて頂けます。

基本的に英語配列

自作キーボードのほとんどが一般的な日本語配列ではなく英語配列です。エンターキーが小さかったり記号キーの位置が違うというくらいで、慣れれば問題ないと思います。

とは言っても自作キーボードの変態レイアウトの前では些細な違いのように思えますが。

慣れるまでタイプミスが激増する

一般的なキーボードは列が左にズレていますよね。これは「ロウスタッガード」と呼ばれるキー配列です。
(row:(横)列・並び、staggerd:ずらされた)

それに対し、自作キーボードは縦にズレたもの(カラムスタッガード)や、格子配列(碁盤の目状)のものを多く目にします。
初めてこの縦ズレ・格子配列を見たとき、「指を縦に動かすだけで良いから効率的だ」と思いました。指の移動距離が短くなるのでロウスタッガードよりも疲れにくいのがメリットです。

ですがそれは「慣れれば」です。

自分が思っていた以上に指はロウスタッガードを記憶していて、「P」を入力したつもりが「O」になっているなんてことが頻繁に起こります。
初期設定の親指エンターも慣れませんし、「Y」や「B」を叩くつもりがキーを飛び越えてプレートを叩くこともしょっちゅう。

また操作性が上がるはずのレイヤーキーも、最初は割り当てを思い出しながら使うので逆に操作性を下げてしまいます。
導入初日の生産性は半分くらいになりました。

一般的な日本語配列のキーボードから英語配列のHHKBに乗り換えたときでも、こんなに苦労はしませんでしたね…。

以上から慣れるまでは「ものすごく疲れるキーボード」となります。

合理的とは言えないロウスタッガードが一般的な理由は、タイプライターの物理的な仕組みが理由のようです。
タイプライターを格子配列にすると、打鍵時に内部の機構が干渉してしまうんですね。

親指が痛くなりがち

corne cherry light 親指キーを打鍵しているところ 自作キーボード
親指でレイヤーキーを打鍵しているところ

何かと便利な親指キーですが、長時間使用していると親指キーの角で親指が痛くなりがちです。

対策としては「OEM」のようなキーキャップを、場合によっては上下逆さまに取り付ける方法があり、これをやると一気に玄人っぽいキーボードになります。

「OEM」というのはキーキャップ形状の種類です。表面が曲線的に凹んでいるので、キーキャップの角が指に当たりにくくなります。

キースイッチの「コレジャナイ」問題

キースイッチはいろんな製品があるのですが、秋葉原の「遊舎工房」のように試打できる環境って地方にはないんですよね。その上キットに載せてみないと最終的な打鍵感や打鍵音が分かりません。

そのため、キーボードが完成してから「想像していたものと違う」ということになりがちです。

「あっちのキースイッチにすれば良かったかな」「このキースイッチはどうだろう」

こうなると暇があればネットでキースイッチをポチる「沼」に陥ってしまいがちです。それも楽しいんですけどね!

さいごに

自作キーボードの「Corne Cherry Light」を導入した感想をお伝えしました。自作キーボードの魅力が伝わりましたでしょうか。

「導入したいけど自作するのはハードルが高い・時間がない」という方には、「遊舎工房」さんが組み立てサービスをやっているので、検討してみてはいかがでしょう。

一人でも多くの方に、気軽に自作キーボードライフを楽しんで頂きたいと思っています。

自作キーボードがおすすめな方
  • 英語配列でもOKな方
  • 市販のキーボードでは満足できない方
  • デザイン・打鍵感・打鍵音にこだわりたい方
  • キーマップをエディットして操作性を追求したい方